関口シンゴのアルバム「vusik」から、「Message」という曲を。
厳密にいうと、当時は「vusik」というユニット名だった気がする。
そのリーダーギタリストで、今は「関口シンゴ」名義で活動する彼のアルバムから、「message」という曲を紹介したい。
vusik(ビュージック、と読む)は、「visual(だったかviewだったか)」と「music」を掛け合わせた造語だ。風景が浮かぶ音楽を、というようなニュアンスだったと記憶しているんだけど(あいまい)、その言葉通り、彼の奏でる音楽は、まだ見たことないはずの、でもなぜか記憶の片隅にある風景が眼前に広がるような、そんな力を持っていると思う。
「コトバドロップス」と銘打ったサイトで、「Songs」の最初の投稿が「風景を奏でる音楽」で、さらに歌のないインスト(インストゥルメンタルの略で、歌のない楽曲のこと)でいいのか、という葛藤が、あったりなかったりしたが、まぁいいや。
実はこの「関口シンゴ」。僕の高校からの親友だ。
高校から大学にかけて、何度も一緒に演奏をしてきた。
彼は自覚がないかもしれないが、僕が音楽の道に進むのをやめるきっかけを作ってくれたのも彼だ。
そんな彼の曲を取り上げるわけだから、身内びいきも甚だしいけれど、まぁ別にこのサイトは僕個人のものだし、かまわないだろう。
今は活動休止をしているが世界的に人気を誇ったグループ「Ovall」に参加したり、有名どころだとCHARAやjujuの楽曲に参加していたり、映画『テラスハウス』の挿入歌に使われたりと、彼と一緒に演奏したことを自慢したくなるような経歴を歩んでくれている(僕のためでは決してないけど)。
面倒なので詳細はこちらを参照。
さて、この「Message」。
この曲は、彼の友人でもあり、何度もライブを一緒にしてきたベーシストがN.Y.に旅立つことになり、その彼に送るものとして書かれた曲。
タイトル、まんまだな。
とにかく、一度聞いてほしい。
そう言いたくなるような名曲だと、僕は思っている。
彼の真骨頂ともいえるメロディアスなギターが歌いまくっている。
インストを好きになれない人でも、この曲は聞けるんじゃないかと思う。
彼がこの曲に、どんなメッセージを込めたのかはわからない。
だから、勝手に僕が解釈させてもらう。
鍵盤ソロも、佐久間淳さんの弾くやさしい音色が、そこまでの感情の昂ぶりを見せないままメインテーマに収斂されていく。
そして、完全に冷静を装ったメインテーマからの、ギターソロ。
メインテーマをモチーフに展開されていく中で、しれっと変わるコード進行。
使い古されたR&Bのコード進行をほんのり変えた上で、少しずつ開いていく感情の蓋。
惜別の想いと、現実を受け入れようとする気持ちと、励ましのコトバと。
そんなごった煮がえす感情の渦が、抑えられなくなって。涙があふれて。
でも、笑って「じゃ!」って別れを告げるのが7分24秒あたりの帰りテーマ。
フェードアウトしていくギターソロのあとの余韻。
まるで旅立つ友人の後ろ姿を見送るように。
(そこでふいに存在感を増すトオイダイスケくんのベースがまた素晴らしい!)
行ってほしくなかったんだろうなぁ(笑)
そう思ってしまうような、彼の「Message」。
ぜひとも聴いてみてほしい。
iTunes:https://itunes.apple.com/jp/album/id280517516
【よろしければこちらのSongも】
0コメント