クロップのコトバ|今は物事を変えるタイミングではない。正しい方向に向かえるようにするタイミングだ。

イングランドの名門サッカークラブ「リヴァプールFC」の監督に、シーズン途中で就任したクロップのコトバ。

引用元:web.gekisaka.jp / ©Getty Images

 

ユルゲン・クロップは、日本では香川真司をセレッソ大阪からドルトムントへと引き抜き、育て上げたことで知られる。ゲーゲン・プレッシングと呼ばれる、前線からの激しいプレスをかけるスタイルで、ドルトムントを優勝へと導いた名監督。プレー中にコートサイドに立って、全身で感情を表現する姿も、ファンが彼を愛する理由のひとつだ。


イングランドのサッカークラブ、アーセナルの監督を務めるヴェンゲルのサッカーをオーケストラに例えた際、自身のサッカーを「ヘヴィメタル」と呼んだことから、「ヘヴィメタルサッカー」などと形容されるような彼のサッカーは、見るものを魅了しつつ、勝利をも手繰り寄せる。


イングランドの名門リヴァプールFCは、ブレンダン・ロジャース監督の元、一昨年はあと一歩で優勝、というところまでいったものの、昨シーズン、そして今シーズンの開幕からの不調を受けて、シーズン途中で彼を解任することに。そして後任に選ばれたのが、このクロップというわけだ。



ただでさえシーズン途中からの監督就任は難しいのだけれど、今回は上位にいて当然、願わくば優勝を、という名門チーム。その難しさは推して知るべし。しかしファンに愛され、且つドルトムントを再建した実績のあるクロップだからこそ、過剰なまでの期待が彼の肩にのしかかっている。


そんな彼の、リヴァプールFCの監督としての初戦が、17日に迫っている。
今回は、その試合に先だって行われた会見での、彼のコトバがこちら。




今は物事を変えるタイミングではない
正しい方向に向かえるようにするタイミングだ




自信があるから出来ることがある


チームの再建には時間がかかることへの理解を求めた上で、彼は上記のコトバを発した。
リヴァプール再建に向け、クロップが他のチームから誰を獲得するか、といった移籍話が盛り上がっていることを受けての発言ではないかと、ボクは思う。


選手の入れ替えによってチームが強くなることはもちろんあるだろう。でも、リヴァプールは元々名門チーム。不調な時期が続いたとしても、そこに所属する選手が下手になったわけじゃない。


サッカーに限った話ではないけれど、それまで成功をおさめてきた人が、ある時から急に調子を落とし、なかなか結果を出せなくなってしまう、なんてことがある。いわゆる「スランプ」なんて言われる時期だ。

とっとと抜け出せたのなら問題ないのだけれど、長引くと徐々に自信を失い始め、自信を失ったことで、これまで出来ていたことすら出来なくなってしまう。そんな負のスパイラルに陥ってしまうことがある。


自信っていうのは不思議なもので、何かが出来たときに得られるものでもあるけれど、時に何かを成し遂げる時に必要なものでもある。自信、まさに自分を信じることが、力に変わる瞬間というのは、決して少なくない。
(もちろん「過信」になったら逆の結果が待っているのだけれど)


必要なのは勝利への道案内であって、その道を走る選手には問題はないことを強調することで、選手たちに自信を取り戻してもらいたかった。これ以上選手たちに自信を失ってもらいたくなかった。

クロップはそう考えたんじゃないかと思う。



努力の矛先を間違えていないか


繰り返しになるけれど、このことはサッカーに限った話では決してない。
日々の仕事の中でも、十分に起こり得ることだと思う。


自分としてはすごく頑張っているつもりなのに、何かがうまくいかなくなったとき、それは努力の矛先を間違えている可能性があることを覚えておくべきだと思う。


自分ではなかなか気がつけないのだけど、正しい方向に向かえていない状況が続くと、もがき、あがく過程で、本来変えなくてよかったことまで変えてしまうことがある。結果、ますますうまくいかなくなって、自信を失ってしまう。もしくはその環境を諦めてしまう。


目を閉じて歩いてみると、まっすぐ歩いているつもりでも、方向がズレてしまうことはよくあること。一心不乱に努力をしている時ほど、目を閉じて歩いている状況に陥りやすい。努力と結果がかみ合わないときは、何かを変えようとしてみる前に、今自分が進んでいる方向が正しいのかどうか、一度誰かに尋ねてみるといいんじゃないかと。


大抵の苦しみは、「自分が世界で初めて味わっている」ことではなく、先輩方が経験されているものだったりするので、共感と適切なアドバイスをもらえることもあると思うのです。


かくいうボク自身も、わりとのめり込むタイプなので、この経験があったりして。

そこで、ひとつアドバイスするとすれば、もし努力がズレていたことに気づいたら、「あの努力は何だったんだ!」なんて思わずに、「寄り道もたまにはいいものか」「んじゃ、ここから直せばいいか」くらいの気持ちで軌道修正する。それくらいが、ちょうどよい温度なんじゃないかと思ったりするのです。



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