吉田拓郎の名曲、「人生を語らず」を。
1974年(CD版は1986年)にリリースされたアルバム「今はまだ人生を語らず」に収録されている曲、「人生を語らず」。
かなり昔の、というか、初回のリリース時はまだボクは生まれていないのだけど、そのころの曲でも感じることがあるのだから、音楽というのは輝きを失わないものだ。
小田和正の「クリスマスの約束」で演奏されていたのを見たのが、ボクのこの曲との出会い。生まれる前に作られた曲との、素敵な邂逅をもたらしてくれるのだから、テレビの音楽番組も捨てがたい(「クリスマスの約束」は通常の音楽番組と一線を画しているけれど)。
この曲にボクが惹かれた理由。
それは、曲中で何度となく繰り返されるこのフレーズにある。
越えて行け、そこを。越えて行け、それを。
このフレーズが、ボクに力をくれる。
負けてなるものか、という思いを、呼び起こしてくれる。
ある仕事で、とある著名な経営者にインタビューを行ったとき、「壁なんてものは、人が勝手に頭の中で作り上げてしまったもの。そんなものは、本当は存在しないんだ」と言われたことが、強く頭に残っている。
何度か失敗しているうちに、あるいは失敗を恐れるうちに、自分の中で勝手にそれを「壁」と認識してしまい、そして認識してしまったからこそ、越えることが難しくなってしまう。
必要以上に身構えて、必要以上に恐れて、苦手意識という名の壁を築き上げ、時にその壁を越えることを諦めてしまうことすらある。
いざ壁を乗り越えてみると、実は壁なんてなかったんだ、と思えるくらい、簡単なことだったりする。そんな経験を経てはいても、それでも無意識に壁を作ってしまうことはあるし、「壁を勝手に作るな」と言われて、はいそうですか、と壁を作らなくなれるほど、人間の頭というのは都合よくはできていない、と思う。
だから、壁を作ってしまった以上は、乗り越えるしかない。
その過程は、苦しかったり、かっこ悪かったりするのだけれど、それでもその先に進もうと思ったら、乗り越えるしかない。
そんな覚悟を決めるため、ボクは時にこの曲を思い出す。
越えて行け、そこを。越えて行け、それを。
このフレーズに力をもらうために。
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