ディエゴ・シメオネのコトバ|他人の評価を変えられる唯一の方法は成長することしかない

スペインのサッカーリーグ、リーガ・エスパニョーラ。
バルセロナとレアル・マドリードという、サッカーが好きじゃなくても聞いたことがあると思われる、圧倒的に強大な2チームが君臨するリーグにおいて、2016年1月16日現在、暫定的ながらも彼らを押しのけて首位に立つチームがある。


そのチームの名は、アトレティコ・マドリード。
その監督、ディエゴ・シメオネのコトバを今日はピックアップ。


引用元:www.footballista.jp


その年に世界で最も活躍したフットボーラーを決める「バロンドール」。
過去7年もの間、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドのどちらかが受賞し続け、今年もメッシの5度目の受賞(史上初)となった。


彼ら二人が飛び抜けたフットボーラーであることに疑いの余地はない。けれど、他にも多くの素晴らしいプレーヤーがいることも事実。だから、「●●が選ばれていないなんておかしい」という論争は、毎年のように巻き起こってしまう。


まず23人の候補が選ばれ、その後3人に絞られた後、最終的に1人の受賞者が決まるバロンドール。シメオネのチームには優れた選手がたくさんいるが、2015年のバロンドール候補に選出された選手は、誰ひとりいなかった。

そのことについて会見で問われ、シメオネはこう答えた。


ディエゴ・ゴディンやアントワーヌ・グリーズマンがバロンドールの候補に選出されていないのは公平な評価ではないと思う。彼らは高いレベルでプレイしていた。だが、必要とされる選手でい続けるためには、現状を受け入れる必要がある。他人の評価を変えられる唯一の方法は成長することしかない。

http://www.theworldmagazine.jp/20151021/01world/spain/24295



他人の評価を変えられる唯一の方法は成長すること


「こんなに頑張っているのに、なぜもっと評価してもらえないのだろう」

仕事をしていると、そんな風に思うことがあるかもしれない。あるいは、自分と他人の評価を比べ、他人の方が評価されていることに納得がいかないことがあるかもしれない。「自分のことをちゃんと見てくれていない」と感じてしまうこともあるだろう。


でも、身もフタもない言い方をしてしまうと、他者からの評価というのはそんなものだ。

意外と見られていることもあれば、見られていないこともある。そもそも自分の時間の100%を見られていた方が、よっぽど気味が悪い気がする(というか自分の仕事しろよ、と思ってしまうかも)。


結局評価を覆したければ、それに見合うだけの、見ていない人が嫌でも目にしてしまうほどの、「結果」を残すしかないんだ。そしてそのために何かが足りないのであれば、それを埋めるための努力を必死にする以外ないんだ。

評価に異を唱えている暇があるなら、自分を成長させるための努力をするべき。
シメオネのコトバは、とてもシンプルで力強い真理のように聞こえる。


自己評価は厳しすぎるくらいでちょうどいい


また、評価というのは、期待との比較で行われることもある。

自分ではよくやったつもりでも、評価者は「もっとできる」と思っているから、評価の齟齬が生まれてしまうこともある。無意識に引いた「これくらいでいいだろう」というラインを越えてくることを、評価者が期待しているのかもしれない。


人は無意識に自分の限界を勝手に決めてしまうことがあるし、コトバを選ばずに言えば、無意識に手を抜いてしまうことがあると思う。
それを防ぐためには、誰からの評価よりも自己評価が一番厳しいものであるようにすること。「もっとできる」と自分で自分に言い聞かせる。ある意味で、自分に強く期待する。

そして、その期待に応えるために、具体的なアクションを考え、実行する。
ただひたすら、それの繰り返し。


楽ではないけれど、楽して評価が上がることもなかなか難しいから、評価を上げたいと思うなら、他者の評価を変えたいと思うなら、結局自分を変えるしかないんだ。


適所探しは後回しでもいい


「適材適所」というコトバがある。これは時に、危ういくらいに都合よく使われてしまう。
他者からの評価を変える方法として、評価者を変えるという選択肢があり得るからだ。

確かに世の中には、理不尽に評価されていない人もいるのだと思う。評価者のポジションに到達する人は、評価手法が優れているからそのポジションに辿り着いたわけではないことが多く、簡単に言えば、評価が下手くそな人だってきっといる。


そんな環境では、きっと自分は評価されない。自分にはもっと適した環境があるはず。そんな風に思って、環境を変える決断を下す人もいるだろう。


ただ個人的に思うのは、適所探しというのは結果論だ。結果が出せれば(評価がされれば)適所だと思うだろうし、なかなか結果が出なければ、たとえそれが他の要因によるものであったとしても、適所ではないように思えてしまうんじゃないだろうか。


だから、人材を配置する立場の人以外は、ただ「適材」になることだけに集中すればいいと思う。今いる環境で必死に努力して、自分を磨いて、適材に仕上げていく。最適材を目指していく。

そうして努力を重ねて、結果につなげることができれば、今いる場所が適所なのだと、感じられるんじゃないだろうか。



シメオネは「他人からの評価を変えられる唯一の方法は成長することしかない」と言った。
その言葉は、残酷なように聞こえるかもしれないけれど、きっと真実だ。
そして見方を変えれば、シンプルな方法であるともいえる。

そしてきっと、その真実に真摯に向き合い続けていれば、いつしか他者からの評価を気にしなくなるんじゃないかと思う。

だって、他者からの評価が何であれ、取れるアクションは、自分を成長させることしかないのだから。



0コメント

  • 1000 / 1000

コトバドロップス。

誰かの発したコトバを「for me」に、そして「for you」へ。

コトバドロップス。とは

誰かの発したコトバを「for me」に、そして「for you」へ。
アスリート、アーティスト、マンガなど、さまざまな分野で活躍する人たちが発した、残したコトバを好き勝手にピックアップしてお届けしてます。